02月01日(水)
一年たったら書こうと思ってたこと。【2】
郵便受けを開けるのが億劫で仕方がなかった。
前住んでいた所は一応外玄関があったので、特になにも感じなかったのだけど、今の所へ引っ越してから郵便受けを開けるのが億劫で億劫で仕方がない。
遠い訳でも行きづらい場所にあるわけでもない。
一階に設置されている郵便受けまでは誰でも簡単に行ける。
住人だけでなく通りすがりの人もひょいと行ける。
最近はあまり手紙を出す人はいないので、届くものといったら宅急便の不在通知と銀行かなにかのお知らせと、DMくらいなもので、1週間開けなくたって大したものは届いていない。
ただ、「大した」ものじゃないモノが山のように詰めこまれている。
粗大ゴミ回収
美容室の料金表
宗教のパンフレット
宅配ピザのクーポンつきメニュー
新築分譲マンションの案内
輸入家具店の分厚いカタログ
インターネット回線の案内
そしてポスティングスタッフ募集!のチラシ
一週間放っておいたら10枚は溜まってる。
一日1枚だとしても一年で365枚。
そのうち役立てたことのあるチラシなんか10年以上の東京の生活で2〜3枚。
どれだけの木を伐って、紙を作って、電気を使って、大量のインクを盛って、この大量のゴミを人の郵便受けにねじ込んでいくのか。
これは悪だ、と思った。
世の中には戦争だとか犯罪だとか色んな悪があるに違いないのだけど、私のような平和な小さな一個人が身を以て言える「悪」というのはこれのことだと思った。
チラシをつっこむ奴は小遣い稼ぎがしたいだけで、それは犯罪じゃないし、
印刷会社だって発注が来たから刷ってる、のは仕事だから当たり前で、
造った紙が何になるかなんて、知りながら造ってる人はいないだろうし、
私もチラシの仕事が来たら、きっとデザインをするだろう。
それが仕事だから。
郵便受けを開ける度、気分が重くなる。
好きなバンドがあった。
ヴォーカルはなく、楽器だけのインストバンドでメンバーは皆、私と同い年だった。
彼らの音楽はこれまで聴いたどのジャンルのものでもなく、かといって押し付けがましくもなく、平和で格好よく、なにより演奏する彼らがとても楽しそうで、ライブに行くと疲れのとれるような楽な気分になった。
MCは上手くないけれど、演奏はいつも工夫されていて、同じ曲を何度聴いても新しい曲のように面白い。
お客さんはいい気分で喜んでお金を払い、CDを買う。
彼らは人が不快になるようなことをしない。
人を喜ばせるようなことしかしないのに、それだけで飯を食っている。
まるで聖人だな、とある日ふと思った。
人の喜ぶこと、というと語弊があるけれど、少なくとも自分が違和感を感じないことだけをして、それで得たお金で食って行くなんてことが本当にできるんだろうか?
そんな事ができたら、どんなに気分が良いだろう。
その時は、そんな夢のような思いつきは大急ぎで、頭を振るようにして打ち消してしまった。
私と彼らはあまりに違いすぎた。
私ときたらあの大量のチラシに腹を立てているくせに、仕事がきたら一生懸命レイアウトをして、それで自分を食わせてる。
自分が良いな、と思うことだけして食って行きたい?いやいや、そんな夢みがちな学生みたいなことは言ってられない、「それが仕事」なんだから。と言い聞かせる。
もしその私を縛り付けていた「仕事」が目の前からパッと消えて、本当にほんとうの最初から、0から選べるようになったとしたら。
前住んでいた所は一応外玄関があったので、特になにも感じなかったのだけど、今の所へ引っ越してから郵便受けを開けるのが億劫で億劫で仕方がない。
遠い訳でも行きづらい場所にあるわけでもない。
一階に設置されている郵便受けまでは誰でも簡単に行ける。
住人だけでなく通りすがりの人もひょいと行ける。
最近はあまり手紙を出す人はいないので、届くものといったら宅急便の不在通知と銀行かなにかのお知らせと、DMくらいなもので、1週間開けなくたって大したものは届いていない。
ただ、「大した」ものじゃないモノが山のように詰めこまれている。
粗大ゴミ回収
美容室の料金表
宗教のパンフレット
宅配ピザのクーポンつきメニュー
新築分譲マンションの案内
輸入家具店の分厚いカタログ
インターネット回線の案内
そしてポスティングスタッフ募集!のチラシ
一週間放っておいたら10枚は溜まってる。
一日1枚だとしても一年で365枚。
そのうち役立てたことのあるチラシなんか10年以上の東京の生活で2〜3枚。
どれだけの木を伐って、紙を作って、電気を使って、大量のインクを盛って、この大量のゴミを人の郵便受けにねじ込んでいくのか。
これは悪だ、と思った。
世の中には戦争だとか犯罪だとか色んな悪があるに違いないのだけど、私のような平和な小さな一個人が身を以て言える「悪」というのはこれのことだと思った。
チラシをつっこむ奴は小遣い稼ぎがしたいだけで、それは犯罪じゃないし、
印刷会社だって発注が来たから刷ってる、のは仕事だから当たり前で、
造った紙が何になるかなんて、知りながら造ってる人はいないだろうし、
私もチラシの仕事が来たら、きっとデザインをするだろう。
それが仕事だから。
郵便受けを開ける度、気分が重くなる。
好きなバンドがあった。
ヴォーカルはなく、楽器だけのインストバンドでメンバーは皆、私と同い年だった。
彼らの音楽はこれまで聴いたどのジャンルのものでもなく、かといって押し付けがましくもなく、平和で格好よく、なにより演奏する彼らがとても楽しそうで、ライブに行くと疲れのとれるような楽な気分になった。
MCは上手くないけれど、演奏はいつも工夫されていて、同じ曲を何度聴いても新しい曲のように面白い。
お客さんはいい気分で喜んでお金を払い、CDを買う。
彼らは人が不快になるようなことをしない。
人を喜ばせるようなことしかしないのに、それだけで飯を食っている。
まるで聖人だな、とある日ふと思った。
人の喜ぶこと、というと語弊があるけれど、少なくとも自分が違和感を感じないことだけをして、それで得たお金で食って行くなんてことが本当にできるんだろうか?
そんな事ができたら、どんなに気分が良いだろう。
その時は、そんな夢のような思いつきは大急ぎで、頭を振るようにして打ち消してしまった。
私と彼らはあまりに違いすぎた。
私ときたらあの大量のチラシに腹を立てているくせに、仕事がきたら一生懸命レイアウトをして、それで自分を食わせてる。
自分が良いな、と思うことだけして食って行きたい?いやいや、そんな夢みがちな学生みたいなことは言ってられない、「それが仕事」なんだから。と言い聞かせる。
もしその私を縛り付けていた「仕事」が目の前からパッと消えて、本当にほんとうの最初から、0から選べるようになったとしたら。
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